グランメゾン東京で出てきた「うにのグラティネ」ってグラタンのこと? そもそもグラタンって何だ??
今シーズン放送中の『グランメゾン東京』おもしろいですよね!
ストイックな天才料理人の尾花(木村拓哉)が時おり見せる人間味がカッコいいうえに、見たことのない料理が出てきて毎回楽しいです。
さて、このドラマの第4話に「うにのグラティネ*1」という料理が登場します。
グラティネって何? グラタンのこと??
気になったのでちょっと調べてみました!
第4話では、尾花らのフレンチレストラン「グランメゾン東京」が、プレオープンの日にあるトラブルに見舞われます。
その際、店に居合わせた平古(玉森裕太)の助けを借りることでトラブルを脱し完成させた料理が「うにのグラティネ」でした!
そうです、「うに出とるやないかい!!*2」で話題になったあの料理です。
▲番組公式Instagram上の「雲丹のグラティネ」の写真
「グラティネ(つづりはおそらく gratiné)」のワードが出たときに「これ、フランス語の動詞だ」と私は気づきました!
そして、あ、これ「グラタン(gratin)」と関係あるのかなと思いました*3。
しかし、うにの存在感が強くて、私たちが普段目にするマカロニが入ったような「グラタン」などとは違ったおもむきです、、、、
▲よく見る「グラタン」は、熱々のこんな皿で出てくるものですよね。それにしても、洒落てますね、この皿。
たしかに、つづり的にはそっくりだけど、よく見る「グラタン」とは違う、、、
えっ、こわいこわいこわい、もう、私の頭の中はゲシュタルト崩壊前夜です。
どういうことなのでしょうか?
「うにのグラティネ」の「グラティネ」とは、おそらくフランス語の動詞 “gratiner” の過去分詞 “gratiné” で、意味は「gratinerされた(もの)」だと思われます*4。
では “gratiner” は何かというと、「グラタンにする」という意味の動詞なのです*5笑
じゃ、そもそも「グラタン(gratin)」とは何かというと笑、「一般に表面に焦げ目のついた薄い皮ができるようにオーブンで焼いた料理*6」のことなんだそうです!
焼き色のついた皮を表面に作ることによって、中のソースや材料の乾燥を防ぎ、蒸し焼きや蒸し煮の状態にできるようですよ*7。
つまり、表面に焦げ目のついた皮ができるように作られた料理を「グラタン」というのであり、マカロニやホワイトソース、グラタン皿を使うことは「グラタン」の本質ではないということでしょう!
世の中には「オニオングラタンスープ」という料理がありますね。
中身はオニオンスープなのに「グラタン」という名前がついています。
これは浮き実のパンにチーズをかけて焦げ目をつけてあるので「グラタン」ということみたいです!!
また、「フルーツグラタン」なるものもこの世界にはあるようです。
これも、表面に振った粉砂糖に焦げ目をつけているので、中身がフルーツとカスタードクリームでも「グラタン」なんですね〜!!
今一度「うにのグラティネ」を見てみましょう!
たしかに、うにの上にかけられたクリーム状のものにうっすら焦げ目がついています。
▲もう一度載せてみる。
また、劇中ではその表面をスプーンで割って食べていたので、皮のようなものができていたということです。
だから、この料理もちゃんと「グラタンにされたもの(グラティネ)」と言えるのです*8!!
マカロニやグラタン皿ではなく、うにやうにの殻を使っていたとしても「グラティネ」なのです!
さあ、「グラティネ」について知ってしまった以上、これであなたも今日からグラティニストですね!(もこみち風*9)
これからはどんどん “gratiner” していきましょう!
▼「うにのグラティネ」の再現を試みられている方がいました! 私はウニがあまり好きではないですが、一回食べてみたいです。
この動画を参考にあなたも頑張って “gratiner” してみてください!!
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《参考》
- 日仏料理協会「フランス食の事典 web版」の「グラタン」の項目
- TBS『グランメゾン東京 第4話』(2019年11月10日放送)
- 『ロワイヤル仏和中辞典 第2版』
*1:ドラマ内の表記では「雲丹のグラティネ」だったのですが、なんか仰々しいので以下「うに」と表記させてください。
*2:「グランメゾン東京」のライバル店オーナーの江藤(手塚とおる)による妨害工作が失敗に終わったとき、江藤が思わず発したセリフです。
*3:ええ、わたくし大学でおフランス語を少々かじっていたのでざます笑
*4:動詞の “gratiner” もその過去分詞である “gratiné” も発音は同じ「グラティネ」です。
*5:『ロワイヤル仏和中辞典』を参照。
*6:『ロワイヤル仏和中辞典』より引用。
*7:日仏料理協会「フランス食の事典 web版」の「グラタン」の項目を参照。
*8:ちなみに、なぜ「うにのグラタン」ではなく「うにのグラティネ」と言うのかは分かりませんでした。