まいど、慶應卒ニートでやらさせてもらってます、けむにまくおです。
昔からTVドラマや映画などのフィクションに触れるのが好きなワイであります。
大学に入ってからは小説や文学なども少し手にとるようになりました。
しかし、当時は単にストーリーを追うだけの浅い読みしかできてなかったんですよね(今もだけど)。
大学の授業で文学の解説を聞いてたりすると「そんな深い読みがあったんか!」と毎回目から鱗落としまくりでしたよ……
さてそんなワイ、今回はそれに似た感動を覚えるYouTubeチャンネルを見つけました。
それがピース又吉直樹【渦】公式チャンネルの「インスタントフィクション」シリーズというもの!
これは小説『火花』で有名な又吉氏が毎回「インスタントフィクション」という短い文章を解釈し解説していくという動画なんです。
このインスタントフィクションとは、自由な発想と気軽なノリで書かれた原稿用紙1枚分くらいの文量の文章のこと*1。
1つだけルールがあって、文章の中に作者の思う「面白い」要素を入れなければならないのだそうです。
ワイなんかだとその作者の意図した「面白さ」についつい引きずられてしまうんですよね。
しかし、又吉氏は文章中での引っかかりや違和感から読み取れることを洗い出していくんです。
そして、もはや作者が意図していないであろうストーリーまで組み立てていってしまうんですよ!!
それはもはや妄想探偵。
文章ってこんな自由に解釈できるんか!って。面白い。
▲突然ワイのYouTubeにリコメンドされてきた動画。これを観てハマっちゃいました。
また、このシリーズは文章の読み解き方の参考にもなる気がするんですよね。
文章中での不自然な呼び表し方から隠れた意味を読み取ったり……
独白調の独りよがりな文体から語り手のもの悲しい状況を想像したり……
重いテーマのわりに妙に軽快さをもつ文章に不気味さを覚えたり……
そういうプロセスを見ていると、
あ、文章ってそうやって読み解いていくのか!と。
ずっと本を読んできた人がどういう風に読んでいるのかを垣間見ることができるんです。
そして、小説や文学が読みたくなってきちゃうんですよ!!
そういう動画シリーズなんです。
インスタントフィクションの名作回まとめてみた
以下、このシリーズの中でワイ的に面白かった回を4本ほど挙げてみました。
これらの動画をきっかけに文章の世界に浸ってみてはいかがでしょう。
① #4「子供へ」の回
初期(?)の神回。文章の構成にまで着目して深読みをしていく様子に膝を打つこと必至です。
② #15「幸子」の回
ひときわ妄想が走っている回。この暴走っぷりが「インスタントフィクション」動画の醍醐味だと思うんですよね。
③ #23「浮かれた阿保の憂さ晴らし」の回
特徴的なリズムの文章を読み解く回。解釈が素晴らしいのはもちろん、リズムに関する講義が勉強になる。
④ #31「君へ、ありがとう、恋文。」の回
異例の文章に手直しを施す回。作家・又吉直樹の文才が堪能できますぞ。
以上、インスタントフィクションの名作回まとめでした。
まだまだ外へと遊びに行きづらいこのご時世。
この動画をきっかけに文章を読む楽しみに触れてみてはいかがでしょう??
▲「インスタントフィクション」シリーズのプレイリストはこちら。まだまだ面白い回たくさんありますぞ。
ちなみに、読解熱が高じて阿部公彦『小説的思考のススメ』という本をワイはいま読んでいるんです。
小説の読み方のコツを解説している本なんすけど、これも面白い。
句読点の打ち方や、地の文と会話分の口調の違いなどへの注目を通してその効果や意図を読み取っていくのです。
興味ある方はこちらもどうぞ。
普段このブログでは食についての情報を発信しています。
グルメな方には、アンジャッシュ渡部氏の動画も面白いですぞ!
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*1:おそらくこの「インスタントフィクション」というのは、又吉氏がこの企画のために考案した文章形式なのだと思われます。