エモエモ探検隊

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慶應卒のニートが主に食品のレビューをしています (※こちらのブログではアフィリエイトによる収益を得ております)

『ガイアの夜明け』を観ても大戸屋社長をブラックだと思わないワイは社畜脳なのか(ニートだけども)

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 まいど、慶應ニートけむにまくおです。

 

先日放送されたガイアの夜明けで大手外食チェーン大戸屋を取り上げた回が話題になりました!

大戸屋が残業時間をいかに減らすかを密着取材した内容だったのですが、ネット上では精神論を振りかざしているなどと社長の山本氏を非難する声が多数上がりました。

しかし、実際にこの放送を観た限りでは、批判されているほどにひどい社長でもないんじゃないかとワイは思ってしまいました。

これってワイの頭が社畜脳なのでしょうか??(ニートだけど)

 

どんな内容の番組だったのか、まとめてみました!

 

 

 

残業時間規制と人手不足のジレンマ

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アッチョンブリケ

12月10日に放送されたガイアの夜明け 残業を減らす! 45時間の壁』TV TOKYO)では、「働き方改革」による残業時間規制と人出不足で板挟みになっているなか、大戸屋がいかに残業を減らすかが取り上げられていました。

 

残業時間の上限は原則的に月45時間年間360時間であり、特例でその基準を超える月があった場合でも45時間以上残業できる月は年間6ヶ月までと定められています。

もしそれに違反した場合は、会社の管理者(社長?)に30万円以下の罰金または6ヶ月以下の懲役が科されることになります。

 

そんななか番組では、大戸屋のある3店舗がクローズアップされていました。

そのうち2店の店主は上半期だけですでに残業45時間オーバーの月が6ヶ月にわたっており、もう1店の店主も45時間オーバーの月が5ヶ月に及んでいるのです。

もうこれ以上残業45時間を越えることができないという瀬戸際まで追い込まれている3店なのです。

 

 

三者三様の問題

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その取り上げられていた3店の店主たちはそれぞれ違う問題に直面していました。

 

繁盛店である新宿東口中央通り店の安藤店主は、仕事を生きがいとする「モーレツ店主」であり、そもそも残業規制自体に反対しています。

採用した外国人アルバイトもすぐに辞めてしまうので、安藤店主がその穴を埋めようとして一向に残業時間が減りません。

山本社長からは安藤店主の「モーレツ社員」的な価値観を改めない限り、残業が減ることはないと説教されてしまいます。

 

 

一方、中野北口店の石田店主は無理して倒れては意味がないと考えており、残業規制には大賛成しています。

人手不足を改善するために「タイミー」という1時間単位でアルバイトを募集するサービスを積極的に使っていました。

しかし、このタイミーで集まるスタッフは単発のアルバイトなので、人が変わるたびに一から仕事の手順を教える必要があり、かえって石田店主の手間がかさみ残業時間が増えてしまいました。

山本社長からは努力が空回りしていると指摘され、このままだと店長職を降ろさざるを得ないと言われてしまいます。

 

 

吉祥寺店の上原店主はスタッフの教育が苦手なため、仕事を一人で抱え込み、残業時間が減りません。

そして残業代ありきの収入で家族を養ってきたため、残業が減ると生活は苦しくなってしまいます。

このまま昇給などがなければ、違う仕事を探すという選択肢も視野に入れているのです。

 

 

どのようにして残業時間が減ったか

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様々な問題を抱え9月時点で残業の上限の瀬戸際にいた店主たちでしたが、結局3人とも10月に残業45時間を超えることはありませんでした。

では、どのようにして3人の残業時間は減ったのでしょうか?

 

まず、全体的な現場の改善を図ろうと社長の指揮のもと調理工程の見直しが行われました。

これで仕込みにかかる時間を1時間短縮することができたのです。

 

 

モーレツ店主の安藤さんのお店では、本部からの応援部隊がお店を手伝うようになり、社長が導入を決めたカット肉の使用により仕込みの時間を減らすことに成功しました。

また、アルバイトの賃上げの直訴に社長が応じたことによって、スタッフの流出も食い止められるようになったのです。

これによって安藤店主は入社して以来、初めて残業時間45時間を下回ることに成功しました。

 

 

「タイミー」使いの石田店主は、営業時間を短縮して強制的に労働時間を減らしました。

また、タイミーの人員枠を減らしその代わりにアルバイトを雇うことにしたのです。

さらに吉祥寺店の上原店主が派遣した応援スタッフも入ってくれるようになったこともあり、石田店主の残業は45時間以下におさまりました。

 

 

教育が苦手な上原店主は、アルバイトでも頼めば仕事をやってくれることに気づき、だんだんと他のスタッフに仕事を任せられるようになりました。

朝の仕込みをスタッフに任せることで勤務時間の短縮に成功したのです。

残業削減での収入減を心配していた上原店主は、山本社長から「頑張ったら給料が減ったという そういう仕組みには絶対ならない」という言葉をかけられていました。

 

 

このようにして、会社と各店舗の取り組みによって10月を残業45時間以下で乗り切ったところで、番組は一応のハッピーエンドを迎えました。

ただ、残業が常態化している状況前年度比を下回っている売り上げ残業削減に完全には納得していない安藤店主・上原店主の姿など余韻の残る終わり方でした。

正直なところ、大戸屋ひいては飲食店の過酷な労働環境をあげつらう人の気持ちもわかります。

 

しかし、ネット上で騒がれているような社長への非難にはワイはあまりしっくりこないのです。

 

 

山本社長はそこまでひどくないのではないか

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ツイッターなどでは、山本社長が精神論・根性論を振り回しているといった意見をよく見かけました。

特に店主会で、山本社長がある店主に向かって、(残業削減に)「本気になってる? 目が死んでいるんだけど」と言っているシーンがよく引用されています。

しかし、このシーンは残業削減に及び腰になっているように見える店主のうつむきながらの気の無い返事に対して、単に「本当にちゃんと取り組んでいるの?」と問いただしただけだと私には見えました。

決して、常に生き生きした目でいなければならないといった類の根性論を押し付けているわけではないと思うのです。

 

さらに、うわべの言葉だけで社長自身が何も働きかけないならまだしも、山本社長は遅ればせながらもちゃんと現場にテコ入れしているのです。

番組内で明示されていたものだけでも、作業工程の見直しバイトスタッフの賃上げカット肉の導入に社長自身が決定を下していました。

そもそも約500店舗を束ねる会社の社長が、いち店主と直接話す時間を割き対策を講じるってすごくないすか??

店主たちが一堂に会する店主会でも、店主たちから残業時間の状況を社長自らがヒアリングしていました。

 

 

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反省中のイメージ

また、山本社長は自らが誤っているかもしれないと思いを巡らすことができて、さらに誤っていた場合はそれをしっかり認めることのできる方だと思いました。

山本社長はアルバイトから叩き上げで社長になった人物で、店主を務めていた頃は自分を犠牲にして働くことをよしとする大戸屋戦士*1だったようです。

しかし、会社のために自らを犠牲にするような「美学」が否定されつつある時代であることもちゃんと認識されています。

これまでの自らの価値観が時代遅れになっていると自覚されているのです。

 

テコ入れに踏み切る際にも自らを顧みられていました。

たしかに6ヶ月間も長時間残業を放っておいたのは問題だと思います!

しかし、その際にも「彼ら*2大戸屋に対する愛情に甘えてはいけない」「自分自身の反省もある 気づきが遅かったなと」という言葉で、店主任せになっていた社長自らの姿勢を反省されていました。

 

 

そもそも残業前提でお店が回されていることや、石田店主の店が根本的に解決していないように見えること適切なテコ入れだったのかなど気になることはたくさんありました。

しかし、現場の声にも耳を傾け、自分が間違っていたときにはそれをちゃんと認め正そうとする山本社長は、精神論・根性論を振りかざすだけのパワハラ社長だとはワイは思いませんでした。

 

番組のラストで山本社長が語るシーンがありました。

「社員たちも苦しんでいるが それをみんなで乗り越えた時に 大戸屋がもう一段人の部分で成長できて 企業として強くなっていける」

今回の危機的状況を会社全体で乗り切ったことを踏まえると、山本氏のこの言葉には、現場に任せっきりではなく社長自らを含めた会社全体で苦境を乗り越え成長していく、そんな意味が含まれているとワイには思われましたぞい。

  

ま、ワイは正社員として働いたことがないんで、

会社のこととかよくわかんねぇすけど(爆)

 

 

《参考》

*1:社長自らの言葉

*2:クローズアップされていた3店舗の店主ひいては大戸屋全店舗の店主?